2年半ほどアメリカで暮らしていたのだが、その間、結構な量のDVDを購入した。 映画などは、もともと劇場でみるのも安い($5~$10程度)のだが、DVD化されても1作品$7~$15と安く、さらに大抵「Buy One,Get One Free(1つ買うと1つタダ)」となっていたり、1枚分のクーポン(タダ券)がついていたりするのが普通。そんなこんなで、軽い気持ちで買ったDVDがたまってしまっていたのである。
帰国の際、ビデオテープは全て廃棄したが、DVDは捨てるには惜しいと持ち帰った。
DVDには「Region Code(リージョンコード)」と呼ばれる地域コードが振られている。
Region 0:オールフリー・全国(リージョンフリー状態)
Region 1:アメリカ合衆国、カナダ
Region 2:日本、西ヨーロッパ、中東、南アフリカ
Region 3:韓国、台湾、シンガポール、香港、その他 東南アジア諸国
Region 4:オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、アルゼンチンなど中央・南アメリカ、メキシコ
Region 5:北アフリカ、アジア、東ヨーロッパ、インド
Region 6:中国
Region 7:未定義
Region 8:国際航空航路など特殊用途
さて、ここからが本題。
日本で売られているDVDプレーヤーはRegion2用のものなので、Region1であるアメリカで購入したDVD作品は再生することができない。
(正確には、映画はRegion1だが、ライブなどの音楽モノDVDはRegion 0であることが多く、これらRegion0については再生可能)
再生するためには、Region1用のDVDプレーヤーか、Region FreeのDVDプレーヤーが必要。 Region1のプレーヤーは、ネットで個人輸入したり輸入取扱い店を探すしかない。 Region Free化については、DVDプレーヤーの改造を伴う(改造済みのプレーヤーを販売しているところもあるが)。 どちらにしても、一般的には入手が難しいシロモノ。
PCで観る方法(当然、PC上のDVDドライブがRegion1 or Region未設定である必要がある)もあるが、せっかく大画面TVがあるのだから、やはり大画面で観たいものである。
その他、裏技として、Sony Playstaion 2(プレステ2)ならば、コントローラーの上下左右いずれかのキーを押しながらリセットすると、Region1のDVDも再生可能となる(。。。場合がある)。
ただし、この裏技には条件がある。
・初期のPS2(SCH-10000)であり、かつファームウェアも発売時のままであること
・コントローラが旧タイプ(Dual Shockがついていないもの)であること
・この裏技は、RegionFree化するわけではなく、PS2起動時のRegionチェック処理を取りこぼすといったファームウェアのバグを利用したものである。起動時以外にもRegionチェックを行うように作られているDVD作品の場合は、最後まで再生することはできない。
ボクのPS2は、PS2発売と同時に購入したファーストロットである。ファームウェアも、リッジレーサーが動作しなくなるバグ持ちを承知で、あえてアップデートしていない。初代Playstation (PS ONEではない)もあって、これも比較的初期のモデルなので、Dual Shockの付いていないコントローラもある。
これまでこの裏技を使って、Region1のDVDはほとんど観れていたのだが、やはり観れないものもある。DVD再生の度に古いコントローラに取り替えるのも面倒だし、コントローラのケーブルが届かないので、カウチソファでDVD操作ができないのも不便。
前置きが長くなったが、そんなこんなで、これまでは「Region Free DVDプレーヤー」を購入するつもりで機種や販売店を見定めていた。(”region free dvd player”などでググってみれば、たくさん見つかる)
http://www.regionfreedvd.net/
http://www.koyo-world.com/sub5.htm
。。。が、DVD作品側で「DVDリージョンフリー化」なることもできるらしい。 「DVDプレーヤー側でRegionチェックをさせない」のではなく「DVDソフトウェア側でRegionコードを消してしまえ」というわけだ。 結果的にDVD複製になるのだが、Region1とはいえ正規DVDを購入&所有しているので、これは不正なコピーにあたらないと思っている?・・さて。
■リージョンフリー化作業
こう書くと大げさだが、要はツールを使って正規DVDからDVD-Rにコピーするだけ。 リッピングのとき、MACROVISIONなどのプロテクトを外すと同時に、Regionコードもはずされる。もちろん全て自動である。
リッピングツールには、
DVD Decrypter (Latest ver.3.5.4.0)
DVDfab HD Decrypter (v3.2.1.0)
などがある。どちらもFreeである。
(名前が似ているが、それぞれ無関係である)
それぞれ一長一短があるので、目的に応じて使い分ける。
詳しいことは解説サイトなどにのっているので、ここでは割愛する。
Backupstreet 「DVD Decrypter」の使い方」
DVD Decrypter 利用ガイド
日本語化工房-KUP
ほとんどのケースはDVD Decrypterで間に合うが、コピーガードが施されている場合は、DVDfab HD Decrypterしか対応していないのでこちらを使用する。
DVD Decrypterは既に開発終了している。 DVDfab HD Decrypterの方は継続しているが、All in OneのDVD Decrypterに対して、リッピング機能に特化している印象。。。とはいえ、目的別に無料ツールを組み合わせれば済むこと。無料であることを考えれば、煩わしさはガマンすべきか。 All in Oneを希望するなら、有償ではあるがDVDfab HD Decrypter Platinumが用意されている。
手持ちのRegion1のDVDを、DVD Decrypterを使ってDVD-Rにコピーしてみた。 所要時間は約5分。できたDVD-RをDVDプレーヤー(DVD/HDレコーダー)で再生してみたところ、問題なく再生できた。
元のDVDを掛けると「地域コードが違うため再生できない」とエラー表示されるので、Region Free化は成功。
これで、山のようにあるアメリカ版(Region1)の洋画DVDを鑑賞することができそうだ。
ただ、英語トラック以外はスペイン語かフランス語なので、日本語吹き替えはもちろん字幕もないけどね。。。。。