XAMPPで移行用の環境構築

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今回のWordPressへの移行は、ちょっと試行錯誤が必要になりそうだ。テスト用としてレンタルサーバー上にテストサイトも用意してあるけれど、ローカルにもテスト環境が欲しかったので、気軽に扱えて便利と評判の高い「XAMPP」(ザンプ)というパッケージを使用した。XAMPPは、以前にも使用したことがあるので安心して使うことができる。

XAMPPについて少し説明しておこう。もう何年も前のことになるが、XAMPPのルーツといえる「LAMP」とよばれるWeb環境があった。
これは、

  • Linux  (OS)
  • Apache HTTP Server  (Webサーバ)
  • MySQL  (データベース)
  • Perl、PHP、Python (スクリプト言語)

を総称した頭文字から成る造語だ。動的(ダイナミック)なWebコンテンツを含むWebサイトの構築に適した、オープンソースのソフトウェア群のことをいう。これらはそれぞれ独自に開発されたものなのだが、いくつかのサーバー用Linuxディストリビューションにおいては、LAMPがセットになって配布されていた。LAMPを1つのセットにすることによって、OSのインストールの際にLAMPの多くの設定や関連付けを自動的に行えるようになり、サーバー管理者の手間を軽減させることができることから急速に普及した。僕も昔、これらのソフトウェアをLAMPを使わずに個別導入を試してみたことがあるのだけど、インストール、各設定ともに面倒でかなりシンドイものがあった。それがLAMPを使うことで設定に悩むことはなくなり、とりあえず動かす程度であればクリックするだけでおしまいだ。ほんといい世の中になったものだ。

そしてXAMPPとはこのLAMPから派生したもので、apachefriends.orgというオープンソース・プロジェクトから提供されている。LAMPと同様にWeb開発環境が一括して導入できるものであり、Linux以外の複数のOSに対応したことから'L'ではなく'X'(クロスプラットフォーム)として名づけられた。'P'が2個なのは、MySQLのGUIツールであるPHP MyAdminといったソフトウェアもパッケージに加わったことによる。現時点でXAMPPは、OSは、Windows、Linux、Mac OS X、Solarisで利用可能となっている。XAMPPは、主として開発用あるいは学習用とされているが、実用性も高いことから、イントラネットなどにおいて実運用環境として使われることも多くあるようだ。
今回ボクが使用したのは、「XAMPP for Windows」の最新バージョンである ver.1.7.3。ApacheFriends.orgの以下のサイトからダウンロードしてセットアップする。ボクは、デスクトップ機ではなく、Windows XPのノートPC (ThinkPad x40)に導入することにした。

『XAMPP for Windows』
http://www.apachefriends.org/jp/xampp-windows.html

XAMPPの基本的なインストールについては、上記のサイトで解説されているので割愛する。インストール自体はとても簡単で戸惑うことはないだろう。その他のポイントだけを記述する。

・セキュリティ対策
ローカル環境だある自宅のノートPC(Windows XP)に導入するわけなのだけれど、これが外部(インターネット側)からのぞけたりするとセキュリティ上とても危険である。.htaccessを使ったアクセス制限とMySQLのパスワード設定だけは忘れずに行っておくことにする。(.htaccessについては詳しくはこちらを参照)
まず、テキストファイルにこんな感じで記述。
[php font_size="80%"]
Order deny,allow
Deny from All
Allow from localhost 127.0.0.1
[/php]
この.htaccessでは、全ての接続要求を拒否(deny)し、唯一、localhostである127.0.0.1だけを許可(Allow)している。127.0.0.1というのはループバック・アドレスといって、規定でそのPC自身をさす特別なIPアドレス。この内容はつまり、「自分以外からのアクセスは拒否する」という意味。この.htaccessを、Apacheのドキュメントルートに置く。Windows版XAMPPでは、デフォルトのドキュメントルートは「C:\Program Files\XAMPP\htdocs配下」である。
ちなみに、Windowsの標準の「メモ帳」ではファイル名が「.」(ドット)で始まるファイルは保存できない。Explorerで名前の変更をすることもできない。「秀丸」や「サクラエディタ」といったテキスト・エディタ使用し、保存の際に「ファイルの種類」を「すべてのファイル(* *)」にすると保存できる。
このとき、エンコードの種類をWindows標準のShift-JISのままだと何かとトラブルの原因になったりするので、ここはUTF-8にしておくことをお勧めする。その意味でもテキスト・エディタはあった方がいい。

次にデータベースのセキュリティだが、データベースであるMySQLは、格納されたデータをPHPで取り出してWordPressの画面を生成したりしている。ここも外部からアクセスできては困るのだが、デフォルトではroot権限のユーザがパスワード無しになっている。これはさすがにあぶないので、DBに接続するユーザ、パスワードはきちんと設定しておく。

これら何点かだけ気をつけて、XAMPPを使ったWordPressの開発環境が簡単にできてしまった。ネットを介さず、ローカルマシンでちょっとしたテストや動作確認ができるのはほんとに便利で楽だ。WindowsのExplorerから直接ファイル操作ができ、そのままブラウザで確認ができる。FTPすら必要としない。テーマ、プラグイン、テンプレートなどのカスタマイズは、このテスト環境で試してからCOREサーバ上にアップすることにする。

参考:
「AMPPでWordPressローカル環境をつくる」
http://blackpepper.oops.jp/wp/archives/2077

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