普段使っているThinkPad X40のHDD換装しました。
そもそも我が家には、
・デスクトップ(Vista)
・ノートPC 1号(XP)
・ノートPC 2号(XP)
・ノートPC 3号(XP)
があるのだが、このうちノート1号と2号は、仕事目的のために会社から持たされているもの。プライベートで使うPCは、デスクトップ機とノート3号だ。
このノート3号は、IBM ThinkPad X40というモデル。今でこそヨメのものということになっているのだが、もともとは私用や旅行先へ仕事PCを持ち出したくなかったボクが、出先でのモバイル利用やフォトストレージ目的で調達したもの。今年の春先ぐらいに中古で購入したものだが、品質と信頼性の高さを考えると、タマ数豊富で値頃感のある中古ThinkPadはとても魅力的。X40は結構安売りされている上、無線LANを備えていて、持ち歩きが苦じゃない大きさと軽さ、サブ機として十分なスペック、リースアップによる豊富な流通量などで、満足感は高い。唯一にして最大の欠点が、内蔵DISKである日立の1.8インチHDDの遅さと、入手の困難さだ。なにせもう純正品が手に入らないのだ。
この日立Disk、耐え難いほどに遅い上、うるさいというか、クラッシュしたかと思うような”カツンカツン”という動作音。壊れたわけではないのだが、ストレスの元になるのでDiskの交換を検討していたのだ。
考えられる方法は3つ。
・最近安くなったSSDを利用する
・CFを利用して1.8インチサイズの擬似SSD化
・代替可能なHDDを探す
SSDは、iPodやeePCの需要増で量産が進んだおかげかとても安くなった。安くなったとはいえ32GBで2万円半ばぐらいで、容量対コスト比ではまだまだディスクにはかわなわない。速いに越したことはないのだが、ボクの使い方からすると速さは最優先ではない。
次にCFだが、通常の使い方をするにはCFでは遅すぎると思うし、SSDの代わりに使うには信頼性の点で大きな問題がある。Embeded Windowsやフラッシュブート向けのLinuxなどの特殊OSならいいのだが。何より容量が少ないので、フォトストレージとするには不向きである。
SSDと最後まで迷ったものの、コスト重視で代替HDD案を選択した。もちろんHDD(特に1.8インチ)には欠点も多いので考え方次第であるが、本体購入金額よりも高くなるSSD化は、やはり予算オーバーだ。
SSDには後ろ髪ひかれつつも、HDDえらび
以下、HDD換装の記録である。。。。
そんなわけで、今回使ったのはZIF(東芝ではLIFというらしい)接続の東芝製1.8インチHDD。
※「ZIF」(ジフ:Zero Insertion Force socket)
型番はMK6028GALの60GBモデルだ。入手し易く値段も手ごろで、だいたい7~8千円程度。
80GBタイプもあったのだが、12,000円程度と少々割高なのでやめた。
東芝のモデルは、MK6028GAxの”x”の部分が高さを示していて、Lだと5mm Hight、Hは8mm Hight。
このZIF I/FのHDDを、ZIF->IDEの変換基板を使ってX40に接続する。物理的なサイズが気になるところだが、X40のHDDベイにはわずかに入らない。ギリギリなのでちょっと無理すれば入るかもしれないが、本体側に純正のHDDを固定するためのレールのようなブラケットがあり、それを取り外してしまえば無理なく収まるようになる。
次の課題はHDD駆動用の電源。
一般的に2.5″のHDDは5V駆動。対して1.8″HDDはCFとかと同様の3.3V駆動だ。東芝HDDも3.3Vを必要とする。そのためか、通常のZIF->IDE変換基板は、基板上のレギュレータで5Vから3.3Vを生成するように作られている。
対してX40のHDD I/Fは?と言えば、2.5″ IDEとPin互換とはいえ本体側から供給される電圧は3.3Vのみなので、このままではレギュレータが動作しない。要は、本体から供給される3.3VがそのままHDDにいけばいいわけなので、X40側の電源がスルーしてHDD側に供給されるよう、レギュレータは取り外して短絡させてしまえばよい。
この改造にはハンダ付けが伴う。そのことに抵抗はないのだけど、最近は改造不要な変換基板がaitendoから発売になったとのことで、こちらを使ってみた。
HDD変換基板はコレ
aitendo
1.8″ZIF HDD->2.5″HDD (1.8ZIF-2.5HDD-V1.2)
※TOSHIBA MK6028GAL と aitendo 1.8ZIF-2.5HDD- V1.2
まずはバックアップ
バックアップというよりは、新しいHDDへのデータ移行。
ボクはDtoDは使用していない。今回クリーンインストールをするつもりも無いので、Ghostでバックアップし、HDD換装後にリストアすることにした。X40をFDDで起動し、ネットワーク経由で別のPC上にイメージ採取。40GBで1時間半程度なので、終わるまでほったらかし。
HDD換装の作業記録
バックアップが済んだら、早速HDD交換。
ThinkPadの分解や部品の取り外し方法は保守マニュアル(Lenovoサポートサイト)に書かれている通りだ。あるいは、「PS/PLAZA WAKAMATSU 取り付けギャラリー(交換手順)」でも写真入りで説明している。分解は10分もあればできてしまうが、よほど不器用な人じゃなければ、初めてでマニュアルを見ながらでも1時間は掛からないだろう。
※これは取り外した純正の日立HDDaitendoの1.8″HDD接続用FFCケーブルには4種類ある。
まず、両端の接点面が同じ面を向いているか裏表逆かの2タイプがあって、それぞれに東芝用と日立用で計4種類。
東芝用
40P55W-T-HDD
40P55S-T-HDD
日立用
40P55W-H-HDD
40P55S-H-HDD
※”W”は両端の接点が表裏になっているもので、”S”が同じ面に接点があるタイプだ。
今回使用するのは、型番で言うと40P55W-T-HDD。40P55″S”-T-HDDは1ピンの位置が逆になってしまうので使用できない。
この東芝用FFCケーブルは、一端が青で、一端が白い。厚みが異なっていて、白い側がわずかに薄く、東芝HDDのZIF(LIF)に接続するのはこの白い方。ちなみに日立用FFCケーブルは両端が青いので容易に判別できる。
このFFCケーブルの接点は片面だけ。HDDや変換基板のZIFコネクタに挿すときは、この接点側が基板側になるようにする。
※40P55S-T-HDDで接続した例(このケーブルでは認識されなかった)
この青-白ケーブルについて少し調べてみた。
青シート部分の厚みは0.34mm、白シート部分は0.21mm、ケーブル本体部分が0.12mmだそうだ。
東芝製HDDコネクタには、この薄い白シート側しか入らない。青シートは貼ってあるだけなのでカッターなどで剥がすことはできるが、今度は薄過ぎて東芝HDDにはスカスカになる。どうしても使いたければセロテープなどで調整すれば何とかなるとは思うが、お勧めはしない。
1.8″HDD側のZIFケーブルロック機構はとても簡単なのだが、初めはわかりづらいかもしれない(ボクもししばらく悩んだ)。
ZIFコネクタのケーブル挿入口とは反対側に黒いプラスチックレバーが付いている。レバーを立てるとロック解放で、倒す(挿入口とは反対方向に寝かせる)とロックされる。ちょっと硬いものの、指の腹や爪の先で十分操作できる(指の細い人は指2本で)。ドライバなどを使うと力加減ができず、レバーを破損する可能性があるので慎重に。。。
変換基板側のZIFケーブルロック機構は、小さいだけにちょっと分かり難い。
ケーブル挿入の前に、黒いプラスチック片を外しておく(表裏があるのでよく見て覚えておく)。ケーブルが接続されていない状態なら、爪の先でちょっと掻けばすぐ外れると思う。
ケーブルを挿して、抜けないように押さえつつ、プラスチック片を元の向きに差し込むだけなのだが、これがとても難しい。櫛のように溝が噛み合うのだけど、黒いプラ片がズレたり裏返ってしまったり
※ロックしている状態(HDD側も変換基板側も、適切なケーブルを使用し、ちゃんとロックすれば、滅多なことでは抜けない)
40P55W-T-HDDのケーブルを使用すると、LEDは赤く点灯している。
先に40P55S-T-HDDのケーブルを試した時は緑だった気がするのだが、試行錯誤の中だったので記憶はチト曖昧。(再確認しようかとも思ったけど、もう一度ケーブルを取り外すのが面倒だったので。。。)
あとは普通に認識される。ハードディスク・アクティブプロテクション機能もちゃんと動くみたいだ。もし認識されないときは、使っているケーブルが違っているか、接続に問題があると思うので、もう一度見直してみてください。
X40のHDDベイに納めてみるとなんとか入る・・・というか、むしろジャストサイズ。
コネクタの位置関係などを確認したあと、絶縁も兼ねてテープで簡易的に固定。正しくラッチさせればフラットケーブルが抜けることはまずないと思うけど、なんらかの固定はしたほうがいいかなと。見た感じでは、8mmドライブでも何とか入るだろうけど、ひと工夫は要りそうだ。
HDDの固定方法は、いろいろ迷った結果、HDDは固定せずに緩衝材をバスタブのように敷くことにした。セトモノの梱包に使われたり、皿の間に挟まれている、白い緩衝シートだ。もともと殆ど隙間がなく多少の振動では動かないので、これで十分だろう。
aitendoのv1.2基板を使う場合、ZIFコネクタ位置が中心からオフセットしているので、HDDを左向きにするとFFCケーブルに多少ストレスがかかる。右向きにするとそんなことはないので、右の方が収まりが良いようだ。
あとは作業前にGhostで採取したイメージをリストアするだけ。
HDDが速くなったせいか、リストアは40分程度で終了。バックアップの時の半分程度の時間で済んだ。
OS起動してみると、見違えるような速さ。起動時間だけでも、これまで10分程掛かっていたものが1~2分で起動できるようになった。とても快適になったので、これでもうしばらくX40を使いつづけることができるだろう。あとはSSDが安くなったらSSD化も考えるかもしれないが・・・
参考:
■ThinkPad X60s/X40/X31 メモ
ボクと同じTOSHIBA HDDへの交換の他に、SSD化の例や、HDDとSSDのパフォーマンスの比較などかなり参考になった。
■KNonline.NET 「ThinkPad X40にZIF接続のHDDを内蔵する」
こまかく記述されていてわかりやすい。
■Thinkpad Club 「X40のHDDをZIFに換装」
■PS/PLAZA WAKAMATSU 取り付けギャラリー(交換手順)
コメント
突然の質問失礼します。
お手数だと思いますが、どうかお答えいただければ幸いです。
・40P55W-T-HDD
・1.8ZIF-2.5HDD-V1.2
を使用し、MK8025GALへ換装しようとしていますが、
ケーブルの接続の仕方がうまくいかず、何度やってもHDDを認識しません。
ランプが赤になりません。
BIOS BOOTを見ると、IDE HDDのところは文字化けのうような記号が並びます。
純正のHDDだと問題なく動作しております。
ケーブル接続のコツなどございましたら、ご教授してくださるようお願いします。
ハシモトさん、こんにちわ。
コメントありがとうございます。
明らかに接続間違いの場合はBIOSのところで”None”になると思うので、表示しているということは”何かしらか”は通電しているということですよね。
HW不良の可能性もありますが、おそらくはケーブルの接続不良と思います。Disk側はラッチ方法さえわかればそんなに難しくはないので、変換基板側の挿入不良ではないでしょうか。(僕も試行錯誤の中で、デバイスが正しく表示されなかった記憶があります)
記事に書いたように、コネクタは櫛のように溝が噛み合うだけなのですが、黒いプラ片を差し込む時にケーブルがズレてしまって、接点がズレたり斜めになったり・・・。
コツは、プラ片の表裏を間違えないことと、プラ片を挿す時は一度に両端を入れようとせず、片側だけ先に入れて位置決めしてしまうことでしょうか。仮止めのようになるのでケーブルがフラフラしなくなり、もう一端も入れやすくなります。
ちなみに、ちゃんと接続されていると引っ張っても抜けませんので、もし抜けるようだとやり直してみた方がいいかもしれません。
うまくいくといいですね。