AF-S NIKKOR 50mm F1.4G

ニコン D80を使っていた頃、AiAF 35mm/F2を愛用していた。
APS-CであるD80で使うと、ちょうど50mm(35mm版換算)程度となることで、標準レンズ的に使う機会が多かったのだ。このレンズ、フルサイズ機では本来の35mmになるので、D700購入にあわせて単焦点50mmを買い足すつもりでいた。
その候補としては、ニコン純正の50mm F1.4Dとシグマ50mm f/1.4を考えていたのだが、同じ頃フォトキナで発表されたばかりのニコンAF-S 50mm F1.4Gの発売を待って比較してから・・・と買い控えていたのだ。
昨年12月にこのニコン50mm Gレンズが発売開始となったので、3つを比べて検討していたのだが、最終的にボクが選んだのはニコン50mm G。シグマの50mmとは随分迷ったけれど、軽量なのと純正である事も加味しれこれを選んだ。

手にしてみて、これは定番になるであろうとあらためて実感・・・かなり気に入っている。
大きさはシグマの30mmF1.4とほぼ同じだけど、重さは80グラム軽い280グラム、D700と合わせても持ち歩くには苦にならない重さ。質感はDレンズと比べると金属感の乏しいものだけど、D700ボディと違和感のない相性の良さはさすが純正というところか。
AF駆動にはSWM(サイレント・ウェーブモーター)機構を採用しているので、静粛性の高いスムーズなAFを実現するとともに、ボディにモーターを持たないD40、D40X、D60にも装着することが可能だ。フルタイムMF機能を搭載しているので、合焦後のMFによるピントの微調整も可能となっている。大径のピントリングはトルク感があって回転角も大きく、微妙なピント合わせにもすばやいピント合わせにも対応できて、すこぶる使い勝手が良い。乾いた摺動感は、ベアリングが回っている手ごたえのあるDレンズとは異質の感覚。まだ新しいせいか少し擦れている感じがあるが、使いこむにつれてアタリがでてくるだろう。
ただ、内蔵SWMによるAF合焦速度の遅さはやや気になる。価格が4倍ほどもある24-70mmの速度と比較するのは酷だろうが、ボディ駆動の旧50mm Dよりも遅い印象だ。全群繰り出しのAFなのでしかたないかもしれないが、MFの操作性を重視したことの弊害なのか。

ボクはレビューできるほどの腕はないので、描写については印象だけ。。。。
円形絞りの9枚羽のおかげで、絞り込んでもキレイな丸ボケをみせるが、ボケはシグマの方がより美しいと思う。
解像感は、絞り開放(F1.4)では僅かに甘いと感じるものの、2段ほど絞るとぐっとシャープになる。クセのない発色は好感がもてる。
Dレンズと比べて特筆すべきは逆光性能の素晴らしさ。画面に太陽を直接入れるようなショットでも、フレアやゴーストはほとんど発生しなかった。デジタル時代に合わせた設計の新しさを感じる。

描画については従来の50mm Dと比べればよく似た印象なので、わざわざ買い換えるほどではないとは思うけど、これから単焦点レンズをお探しの方にはお勧めかな。
ナノ・クリスタルコートを採用しなかったのはコスト面の理由なのだろうから、これはこれで良しと思う。強いていうなれば、もう少し寄れるともっといいのだけど・・・
シグマの性能が非常に優秀なだけに、純正としては少々物足りなさも感じるけど、それぞれの方向性はちょっと違っているようにも思える。好みにあう方を選べばよいと思う。

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