Pennsylvania州運転免許の取得

掲示板をみてなのか、駐在や留学したりする方から、PA(ペンシルバニア)州の情報についてときどき質問を受けることがあります。一番多いのは、やはり自動車免許取得についてでしょうか。「取得は難しいのか?」とか「国際免許は使えないのか」とかですね。

そもそも国際免許は旅行者のためのものであって、居住者(US Resident)が利用するものではありません。Residentとなった時点でアメリカ国内の免許を取得する必要があります(と言われています)。
国際免許をよ~く見てください。日本語では”国際免許”と書かれていますが、その下には”Drivers Permit”と書いてあるはずで、”Drivers License”ではありません。”国際運転許可証”といった性格のものなのですね。
国際免許の有効期間は1年間ですが、国際免許での運転を認めるかどうかは州によって違います。ペンシルバニア州やニューヨーク州は入国から3ヶ月、PA州のお隣のニュージャージー州にいたっては1ヶ月とされています。移民比率の高いカリフォルニア州はもっと厳しくて、長くても1ヶ月、居住者と判断されるケースは国際免許での運転は不可という噂もききます。
どの州でも、おおむね入国から滞在一か月を越えると”居住者に等しい”と解釈されてしまうようで、この場合は国際免許の有効期間には関係なく、この州のルールが適用されます。この判断は現場の警察官に任されている部分もあるので、注意した方がよいです。(軽微な違反の場合は、現場警官も面倒がって見逃してくれる場合がほとんどですが・・・)

国際免許をよーく読むと、「所持者が自己の旅行する各国において~居住または職業に関する法律遵守にはいかなる影響も及ぼさない」と書かれていて、つまりは ”居住している” とみなされる場合はあくまでも米国内法が優先なのだということも知っておきましょう。
仕事や留学などで長く滞在するのであれば、すぐアメリカ国内の免許を取ったほうがいいと思います。

免許取得までのながれ

取得まで、何回かの手続きが必要です。

1.まず第一段。申請書などを入手

まずは、近くのPennsylvania Driver’s License Center ( PenDOT )にいって学科教本(受験申請書)の冊子をもらってきます。この冊子には、法規や州独自の条項などのほか、健康診断書の用紙も含まれています。
最寄りのライセンスセンターは、PennDOTのサイトで調べましょう。
PennDOT – Driver & Vehicle Services

2.試験勉強します

1.で入手した学科教本をともかく勉強します。標識は結構出題されるので重点的に。そんなに難しくは無いので、日本で免許持って人なら数時間もあればわかるでしょう。
法規などをだいだい覚えたら、またDriver’s License Centerに行ってコンピュータを使った学科テスト(Exam)を受けます。

3.必要な書類を揃える

免許の申請受験時に必要なものは次の4つ。

  • Social Security Card
    免許申請書には、SSN(Social Security Number:社会保障番号)を記入する欄があるため、事前にSSNの取得申請が必要となります。
    SSNは、米国での生活上あらゆる場面で必要となる番号であり、生活を始める際に一番最初に取得するものといえます。近くのSocial Security Officeへ出向き、申請書類に必要事項を記入して提出します(その時の記事)。およそ1-2週間程度で郵送されてきます。なお、SSN申請の際に「申請受領書」をもらっておくと、SSNが発行される前でも免許の手続きが可能となるようです。
  • 健康診断証
    この申請時点で、医師の健康診断書が必要です。日本のモノはダメで、PenDOTで配布している冊子に入っているもので、自宅や試験場近くの内科で受診します。免許試験のためであることを伝えて、前述の用紙に記入してもらいます。近くの病院に予約を入れ、免許証用の健康診断をして欲しい旨を告げます。尿検査と医師との問答(持病や病歴の有無)のみの簡単なものです。専門的な医療用語が多いため、診断証に記述されている内容をあらかじめよく読み、別紙にyes/noを記述して持参するとスムーズです。問答の結果を医師がその場で用紙に書き込み、サインしてくれます。
    費用は病院によってまちまちかな。($80~$120?)
  • ID
    通常はパスポート。滞米のVISAも確認されます。他に、国際運転免許と日本の運転免許も持参した方が無難かもしれません。
  • CheckあるいはMoney Order
    筆記試験に合格したら、支払わなければならないので必要。現金払いやクレジットカード払いは不可だったけど、場所によるのかも。’99年3月時点で、普通四輪の受験料は$29。
  • 免許証(もし持っていれば)
    他州の免許証(・・・あれば)。あとは、レンタカーで実技受験するときは、国際運転免許と日本の運転免許証が必要かな。

4.いざ受験。まずは学科から仮免許

試験勉強が済んで必要書類を揃えたら、PenDOTのライセンスセンターへ。ボクのところでは予約不要でしたが、確認した方がいいかもしれません。入口で整理券を取り、自分の番号になったら(呼ばれるかボードに表示される)、指定の窓口へ行きます。日本の銀行窓口の要領です。申請書類を提出し、Exam Testを受験したい旨を伝えます。その場で視力検査(Vision Screening Test)を実施します。問題がなければ、指定されたボックスへ行き、Examを開始。この時、英和辞書を使ってもよいかを確認しておきます。係員によってはパラパラと中身を確認する人もます。Examは、日本の学科と違ってイジワルはなく簡単なものです。時間にして30分。標識などの他、「アルコールはどのぐらいまでなら飲んで運転してもいいか」「暗くなったらどうするか(ライトを点ける)」「STOPサインを出したスクールバスを抜いていいか?」など。。。。。先の教本に書かれている範囲からしか出題されませんが、標識をのぞけば、常識で考えても答えられる程度です。中学校程度の英語力で理解できるはずです。
全18問中15問以上正解の場合は合格。問題のスキップは1回だけ可能だったと思います。

合否はその場でわかるので、受け付けに戻って合格証明の書類を受け取ります。会計窓口で合格書類とcheck(あるいはmoney order)を提出します。Checkの宛先は、「PennDOT」。
支払いと引き換えに、テンポラリの筆記試験合格証明書(2枚の書類)が渡され、これが暫定仮免許証だったはず(国際免許を持っていたのでよく見ておらず、ちょっと記憶が不確か)。この仮免には「日の出から日没まで」「州内限定」「免許保持者の同乗」が義務付けされています。ただ、日本の国際免許が有効なうちは、当然この義務からは解放されます。
この日にできることはここまでです。4~6週間後に、申請した住所宛に確認書が届くはずなので、そしたら実地試験の予約を電話でするようにと説明がありました。(確認書送付は住所確認の意図もあるので、確認書が届くまでは実地試験が受けれません)。電話番号は受け取った書類に記述されています。

5.実技試験

仮免で一通り練習したら次は本試験(実技試験)です。確認書が届いたら、受験したいPenDOTライセンスセンターを選んで、予約センターに電話し受験の日時と場所を予約します。試験のための車は持ち込む必要があります。これは借りているレンタカーでOKです。レンタカーであっても、保険が有効なことを必ず確認されるので注意しましょう。なお、国際免許を持っている人は問題ないのですが、仮免の身では一人で運転してはならず、必ず運転免許を保持した人が同伴でなければならないことを忘れずに。

試験官に名前を呼ばれたら持ち込んだ車に乗り込みます。試験官が助手席に乗り込んで来て、いきなりシートを倒して寝そべりました。どうもアクセルやブレーキ操作をチェックするためのようです。この後は、すべて試験官の指示通りに操作します。発車前に、ライトのON/OFF、ウィンカー点滅のテスト。方向指示器の操作を行って、スムーズな発進、停止、右折、左折、車線変更などを行います。
受験場所にもよりますが、僕はショッピングモールの駐車場内をぐるっと一周した後、外に出て近所を10分ほど走って戻りました。技術的な内容は、モール駐車場の一角で縦列駐車をやっただけでした。縦列テスト用に引かれたラインはトラックでも停められるぐらいの広さなので、日本で免許を持っている人なら簡単です。
実地試験が終了すると、その場で試験官が合否を教えてくれて、サイン入りの合格証明書をもらいました。

6.免許発行

車を置いて受け取った合格証明証を窓口に提出すると、10分程度で呼び出されるので写真撮影をします。なんども撮り直し可能でした。
写真撮影が終わると、その場で免許が発行されます。運転技術よりも安全確認を重視するようなので、その点に気をつければ難しくはないです(僕は1回で受かりました)。

日本には無い、大事なこと

免許自体は即日交付ですが、4.と5.の間に、どうしても4週間程度の時間が必要です。
それと、Examの後(本試験後だったかも)、何かコンピュータでアンケートのような質問があります。英語で長々と書いてありますが、回答の結果で不合格になることはありませんが、無条件に”No”を答えることをお勧めします。
ここには、「麻薬中毒になったことがあるか?」とか「ストーカーとしてトレースされているか」とか「スパイなどの政治犯で逮捕されたことがあるか?」などといったことの他、「万一の際、臓器提供に同意するか」「角膜提供に同意するか」といった内容の質問です。意味がわからない場合も、”NO”と答えてておけば悪いようにはなりませんので、明らかに”YES”という場合をのぞき、すべて”NO”で大丈夫です。回答内容は、情報としてライセンス内に書きこまれるか、機関データベースで保持されるはずです。


※この免許証は、1度目の更新を受けたときのデザインだ。

 


※初めてとったときのデザイン

コメント

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